
パウエルFRB議長はジャクソンホールで、インフレ抑制から雇用市場の下支えへと軸足を移す姿勢を示すだろう[2024年7月31日、アメリカ・ワシントンDC](C)EPA=時事
8月23日(金)、世界の市場関係者の視線は、米国ワイオミング州のジャクソンホールに集まる。米連邦準備理事会(FRB)傘下のカンザスシティ連銀が毎年この時期に開く年次経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)で、ジェローム・パウエルFRB議長が基調講演をするからだ。
米経済は無事、ソフトランディング(軟着陸)できるのか。7月以降、米国をはじめ世界の金融・株式市場は乱気流に巻き込まれている。日本とて例外ではなく、7月31日の日銀の利上げを機に、8月5日の株式市場は令和のブラックマンデーに見舞われた。
暴落翌日には買い越しに転じた外国人投資家
そこでまず令和のブラックマンデーで、日本経済や金融・株式市場をめぐる構図が変わったのかどうか、を確認しておくべきだろう。結論は簡単だ。何も変わっていない。
8月5日に日経平均株価は、1987年10月19日のブランクマンデー(米国株の暴落)の翌20日の下げ幅をも凌駕する、史上最大の下落幅を記録した。「円売り・株買い」の取引で損失を被った外国人投資家が、背中の薪に火の付いたカチカチ山の狸のような状態となり、取引を解消するために「円買い・株売り」に殺到した。
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