サッカーのU-20女子ワールドカップで優勝し喜ぶ北朝鮮代表[2024年9月22日、コロンビア・ボゴタ](C)EPA=時事
 

 9月24日付1面トップは、サッカーのU-20(20歳以下)女子ワールドカップで北朝鮮が優勝したことについての報道であった。スポーツニュースが1面トップを飾るのは、少なくとも金正恩(キム・ジョンウン)政権下では初めてのことであり、筆者が『労働新聞』に目を通し始めた1997年以降でも全く記憶にない。記事は、「われわれの頼もしい女子サッカー選手たちが成し遂げた誇らしい競技成果は、強国朝鮮の尊厳と名声を八方に轟かせ、全面的国家発展の新たな転機をこれ見よがしに拓いていく全国人民に大きな鼓舞的な力を与えている」との一文で結ばれた。

 同日付第3面下段には、「扇動にはいかなる形式があるのか」と題する解説記事が掲載された。扇動は、「敬愛する総書記同志(注:金正恩)のお言葉とその具現である党政策を貫徹するための闘争へ大衆の革命的熱意を喚起する思想事業の重要な形式」だと定義され、その種類について簡単な説明が施された。筆頭に挙げられた「口頭扇動」には、「解説談話、扇動演説、読報、情況扇動」などがあるとされた。このうち「読報」は、「偉大な首領様(注:金日成=キム・イルソン)と偉大な将軍様(注:金正日=キム・ジョンイル)、敬愛する総書記同志の労作と偉大性図書、新聞、雑誌をはじめとする出版物に掲載された記事を読んでやる方法」だとされる。スローガンや宣伝画などを掲示する「直観扇動」のほか、「集会扇動」、「芸術扇動」、「放送扇動」についても紹介された。

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