アメリカ大統領選の勝敗は一部の激戦地の動向によって決まる[ペンシルベニア州バトラーで開かれたドナルド・トランプ前大統領の選挙集会=2024年10月5日](C)時事

 アメリカ大統領選挙の一般投票まで、1カ月を切った。一時は「ほぼトラ」、銃撃事件後には「確トラ」とまで言われていたドナルド・トランプ前大統領の勢いが、民主党候補がジョー・バイデン大統領からカマラ・ハリス副大統領に代わったことで削がれてしまい、ほぼ互角の勝負となっている。大統領候補間での2回目の討論会は今の段階では行われない可能性が高いことを考えると、何らかのサプライズが発生することがない限り、ハリスとトランプの間でのアピール合戦、動員合戦の成果によって大統領選挙の結果が決まることになるだろう。

 今後、二大政党の候補は、いわゆる接戦州を中心に選挙戦を展開することになる。大統領選挙は、全50州とコロンビア特別区(ワシントンD.C.)に割り当てられた選挙人(538人)の過半数、すなわち270以上を取った候補が当選する仕組みになっている。48州およびコロンビア特別区が1票でも多くの票を獲得した候補に全ての選挙人を与える勝者総取り方式を採用しているが、40以上の州ではどちらの候補が勝利するか、ほぼ決まっているといわれている。今回、勝敗は7つの接戦州、すなわち、ミシガン、ペンシルベニア、ウィスコンシン、ネバダ、アリゾナ、ジョージア、ノースカロライナの7州の結果で決まると指摘されることが多い。これに加えて、実はネブラスカ州第二選挙区の状況が選挙結果に大きな影響を及ぼす可能性もあるかもしれない。

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