
選出プロセスがで混乱があれば新大統領の正統性にも傷がつく (C)AFP=時事
僅差の戦いが続いているアメリカの大統領選挙は、果たしてすんなり勝者が決まるかどうか。もし、11月5日にカマラ・ハリスが勝利した場合、「不正」を理由にドナルド・トランプが譲歩しない可能性もあるだろう。もし、12月17日に通常の選挙人投票が行えない州があったら、あるいは選挙人の過半数を誰も獲得できなかったらどうなるのか。そのシナリオを考えてみる。
全くの互角
間もなく11月の本選挙を迎えるが、今年の場合、「ハリス対トランプ」は世論調査の数字をみると、いまのところ全く互角のようにみえる。激戦州7つの両者の差は、統計的な誤差を考えると差はない。
どちらも決め手に欠けるため、これだけの接戦になっている。
トランプは、岩盤支持層は離れないものの、ほかの層からの支持は得にくい。ハリスの場合も、予備選を戦っていないため、選挙戦終盤となっても何となく力弱い。予備選を勝ち抜くのは、田舎侍が戦国武将になる過程だ。ハリスは急に立派な鎧と甲冑を着たようなものだが、「本当に大丈夫か」という不安はぬぐえない。
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