10月27日の衆院選は、自民党は公示前から56議席減、自民・公明両党でも過半数割れという結果になりました。歴史的大敗なのは事実ですが、「石破茂総理は憲政の常道に従い辞任せよ」と迫るメディアの議論はどこか空回りの印象があります。内閣支持率は急落ながら、共同通信が10月28、29日に行った緊急世論調査では「辞任不要」が65.7%に上ったからです。
この無風の嵐をどう見るべきなのか。海外の主要メディアの分析も実はあまり切れがなく、石破退陣の可能性を指摘し「改革の停滞」を憂慮しつつも、たとえば選挙直後の株価上昇の説明には苦労している印象です。
ただ、他方で立憲民主党の党勢増を評価する声も見当たらず、英「フィナンシャル・タイムズ(FT)」紙などは「日本にとっても自民党にとっても、有能で社会的にリベラルな野党が政権を奪う競争はプラスになる。だが、残念なことに今年の結果は違うものだった」として、立民が選挙で打ち出した公約をほとんど評価しない様子。間近に迫ったアメリカ大統領選に混乱も予想される中、日本政治に空白が生まれるよりは、「大敗政権」でも継続してくれたほうがマシというところでしょうか。
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