1999年にハッブル宇宙望遠鏡が撮影した火星の画像。火星は約780日の周期で地球への接近を繰り返しているが、当時の地球から火星への距離は8700万キロだった (C)REUTERS/NASA/Handout

[ワシントン発/ロイター]探査ローバー祝融は2021年に火星の北部低地に着陸、火星の北半球にある広大なユートピア平原の岩石を分析した。研究チームは、祝融や火星の軌道を回る探査機から得られたデータから、古代の海岸線の存在を示す地質的特徴が見られると発表した。

 さらに、祝融に加え中国の火星探査機「天問1」の周回機とNASAの探査機マーズ・リコネッサンス・オービターのデータを分析した結果、火星がすでに寒く乾燥した薄い大気を持つようになってからも水の海が存在した可能性が示唆された。

 研究チームは、溝や堆積物の流路、泥火山などが海岸の存在を示唆すると論文に綴った。また、浅瀬や深海があったことを示す証拠も見つかった。研究結果は11月7日に学術誌『Scientific Reports』に掲載された。

「ユートピア平原は約36億8000万年前に氾濫したと推定している。海面は、地質学的に短い期間で凍結した可能性が高い」と香港理工大学の惑星科学者で論文筆頭著者のBo Wu氏は述べた。

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