これまで尹政権に反対するデモの発生や、政権による戒厳令発令の可能性について度々報じてきた『労働新聞』だが、実際に戒厳令が出されて以降は、韓国情勢について沈黙を続けている[12月4日未明、韓国・ソウルの国会前に集まった人々](C)時事
 

 12月3日深夜に韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が「非常戒厳」を発表したものの、直後の4日未明にそれを解除した問題について、7日までに北朝鮮メディアが反応することはなかった。『労働新聞』は、韓国における尹錫悦政権に対する反対運動を毎日のように紹介してきた。1日付には「傀儡韓国のソウル大学教授らが尹錫悦傀儡退陣を要求」、2日付には「『弾劾が平和だ!』『売国奴尹錫悦を打倒せよ!』」、3日付には「傀儡韓国の宗教信者が尹錫悦傀儡退陣のための時局宣言運動に加勢」、4日付には「傀儡韓国の諸団体が尹錫悦退陣とファッショ悪法廃止を要求」といった記事タイトルが躍っていた。

 しかし、5日付以降は「尹錫悦」について一切触れていないことは注目に値する。尹錫悦を猛非難してきた北朝鮮にとって恣意的な戒厳令宣布が失敗に終わったことはプラスと考えられるが、韓国情勢が流動的であることもあり、ある程度検証を重ねたうえで報道する姿勢を堅持したものと見られる。

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