【再掲】「10月7日」から1年、事態はどこまで進んだのか
2024年12月22日

※2024年10月6日公開の記事を再掲します
ガザ紛争の引き金となったハマースによる対イスラエル越境攻撃の「10月7日」から、1年が経った。事態はどこまで進んだのか。
昨年10月2日に『Foreign Affairs』に発表されていたサリバン米国家安全保障問題担当大統領補佐官による論稿「アメリカのパワーの諸源泉(The Sources of American Power)」で示された「中東地域はここ数十年でもっとも平穏である(the region is quieter than it has been for decades)」という見通しとは似ても似つかぬ現状で、この間に失われた最大のものは中東地域における米国の威信であり、その掲げる理念への信頼だろう。これがこの地域での恒久的な米国の威信の低下に至るものなのか、あるいは現政権に限定されたものなのかはまだ分からない。
米政権が中東を安定させる影響力の低下は、政権の安定化の後に回復するものなのか、あるいはそれまでの間に現地には不可逆的な秩序の崩壊、あるいは変容をもたらすのか。「10月7日」から1周年の節目に際して、イスラエル・イランの間のエスカレーションの急激な高まりが、何をもたらすのかが、最大の関心事である。
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