短い唸り声はポジティブな気持ち(C)REUTERS/ Tom Little

[デンマーク・ヴィッペロード発/ロイター]研究チームは、ブタが遊んでいるときや一頭で過ごしているとき、餌をめぐる争いなどのさまざまな状況で録音された数千の鳴き声を分析。ブーブーといった鳴き声や唸り声、甲高い鳴き声から、ポジティブまたはネガティブな感情を読み取れることが明らかになった。

 アルゴリズムは、ブタがマイナスの感情を抱えていることを農家に知らせ、ブタのウェルビーイング(生活が充実した状態)を向上できる可能性があると、コペンハーゲン大学の行動生物学者で研究チームを率いるElodie Mandel-Briefer氏は述べた。

 多くの農家は、豚舎でブタの様子を見ることでウェルビーイングを念入りに把握している。しかし、既存のツールは、主に健康状態に着目しているとMandel-Briefer氏は指摘する。

「動物の感情は幸福と深く関係しているが、農場ではあまり測定されていない」(Mandel-Briefer氏)

コペンハーゲン大学の行動生物学者Elodie Mandel-Briefer氏がブタの鳴き声を録音する様子を再現[2024年10月21日、ヴィッペロードの農場にて](C) REUTERS/Tom Little

 アルゴリズムからは、屋外飼育、放し飼い、有機農場などの環境で育てられ、自由に動き回ったり土を掘ったりできるブタは、従来の方法で飼育されたブタよりもストレスを表す鳴き声をあげることが少ないと分かった。研究チームは、この技術が完成すれば飼育状況に応じて農場に認定を与えられるようになり、消費者が十分な情報を得た上で意思決定できるようになると考えている。

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