「王毅はいつも不満から始める」

Foresight World Watcher's 6 Tips

執筆者:フォーサイト編集部2024年12月22日
ブリンケン米国務長官(右)は、王毅・中国外相(左)がバイデン政権の外交を「冷戦の遺物」と批判してきたと言う (C)AFP=時事

 すでにホリデーシーズン真っ盛りの欧米では、メディアも2024年の総括企画に力を入れています。ウクライナ情勢にも中東情勢にも、あるいは地球温暖化と自然災害の激化にも、国際社会が抱える多くの課題に明るい見通しは立てにくいのですが、毎年「過去12カ月で最も改善が見られた国」を選ぶ英エコノミスト誌の「今年の国」企画にはやはり注目したいところです。

 アントニー・ブリンケン米国務長官は、米「フォーリン・アフェアーズ(FA)」誌のインタビューに応じてバイデン政権の4年間を総括しています。曰く「私は中国のカウンターパートの王毅[外相]と非常に多くの時間を費やしました。多くの、多くの、多くの、多くの時間(Many, many, many, many hours)です。ほとんどすべての会談は同じように始まります。彼が、私たちの行った数々のことについて、不満を述べるところから始まるのです。これは、私たちのアプローチが成功している最も明白な証拠だと思っている」。随所に盛り込まれた次期政権への“念押し”は、アメリカ外交の行方を考えるうえでいま踏まえておくべき、基準点のような役割を果たしてくれそうです。

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