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 2024年は去年に引き続き、AI(人工知能)の発展や、実社会への浸透に関するニュースが話題となった。同時に、月や火星探索に関するニュースも多く、各国の宇宙競争の激化が目立つ。まさしく、宇宙開発の新時代に立ち会っていると実感する。

 まずは「インパクト大」のビッグニュースを紹介したい。

人工知能がタンパク質構造を予測

 タンパク質は、アミノ酸と呼ばれる分子がビーズのネックレスのように連なり、さまざまな形に折りたたまれ立体構造をとることで独特の機能を持つようになる。タンパク質の折りたたまれ方を理解することで、タンパク質の異常が原因で発症する病気の理解が深まったり、医薬品の開発を大幅に効率化したりできる可能性がある。

 これまで、タンパク質の構造解明は主に高性能な顕微鏡やX線の結晶構造解析などで地道に行われていた。だが、Google DeepMind社が開発したAIツールのAlphaFoldでは、何カ月もかけてタンパク質の構造を解明していたのが、ものの数分で予測できるようになった。データベースには、2億種類以上のタンパク質の立体構造が予測されている。AlphaFoldの開発を牽引したデミス・ハサビスとジョン・M・ジャンパーは、今年のノーベル化学賞を受賞した。

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