
「和平合意」の達成は難度が高すぎて、さらに多くの時間あるいは犠牲が必要になってしまう場合、とりあえずは「停戦合意」の締結が目標とされる[ドネツク州で戦死したポーランド人義勇兵の棺に国旗を掲げるウクライナ軍兵士=2025年1月30日、ウクライナ・キエフ](C)AFP=時事
ドナルド・トランプ米国大統領は、就任後、ロシア・ウクライナ戦争の停戦に意欲を燃やしている。大統領就任式の前日1月19日に、ガザをめぐり、イスラエルとハマスの間で成立した停戦合意が発効した。トランプ大統領は、「アメリカ・ファースト」の観点から、アメリカの国力を疲弊させているとみなす戦争の終結に、強い関心を持っている。
日本は蚊帳の外だ。しかしロシア・ウクライナ戦争の終結は日本国内でも、海外情勢の中では比較的注目度の高いトピックだろう。もともとロシア・ウクライナ戦争をめぐっては、日本政府の関与の度合いが高く、また親ウクライナ派と親ロシア派の人々の間の感情的なやり取りも多々見られた。そこに特異な性格を持つトランプ大統領が、本格参入してきた。話題性はある。
ただ、注目度の割には、理解や議論が深まっていない印象はぬぐえない。3年にわたって大きな話題であり続けたロシア・ウクライナ戦争をめぐる感情的なやり取りが、日本国内でも浸透し過ぎたためだろう。あらためて冷静に状況をとらえる姿勢が必要だ。
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