小惑星ベンヌをとらえたモザイク画像[2018年12月2日にNASAの探査機「オシリス・レックス」が高度24kmから取得した12枚の画像を合成したもの](C)NASA/Goddard/University of Arizona/REUTERS

[ワシントン発/ロイター]2月5日に学術誌『Science Advances』に掲載された研究は、小惑星ベンヌ規模の天体(直径約500メートル)が地球に衝突した場合の影響をシミュレーションし、世界全体で大惨事の連鎖が起きると発表した。直後の衝撃に加えて、大気中に1億~4億トンの塵が放出され、3~4年間にわたり気候の激変や大気中の化学物質の変化、光合成から生産される有機物量の低下が続くと考えられる。 

「塵によって急に『衝突の冬』が訪れる。地表へ届く太陽光の減少、気温の低下、降水量の減少が起きる」と韓国・釜山大学IBS気候物理学センター(ICCP)の博士研究員であり、論文の筆頭著者であるラン・ダイ氏は述べた。最悪のシナリオでは、地表の平均気温が約4度低下し、降水量は15%減少する。また、植物の光合成量は20~30%減少し、紫外線を遮るオゾン層も32%縮小する。

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