信用金庫や信用組合に未来はあるのか――。 六月二十九日、首相の諮問機関である金融審議会の第二部会は、一年以上にわたって検討を進めてきた「協同組織金融機関のあり方」について中間報告をまとめた。報告では(1)信金と信組を別の制度として維持する意義・必要性などについて検討が必要(2)それらが果たしている機能は現在の組織形態でなければ提供できないものではない――といった厳しい指摘がなされた。引き続き検討されることにはなっているものの、現状を見れば、両業界の大幅な変革は既定路線だ。 協同組織金融機関は会員の相互扶助を理念とした非営利法人だ。金融サービスを受けられる会員は「信金=一定の地域内の中小企業や地域住民」「信組=信金の対象会員のほか、特定の職場や業態の組合員」であり、金融庁の許可を得ないと営業地域を拡大できない。 信金と信組に基本的な点で大きな相違はないものの、主な違いは以下のような点にある。(1)会員資格=企業ならともに従業員三百人以下が条件だが、信金は資本金九億円以下、信組はそれより小規模な三億円以下が対象(2)非会員の預金上限=信金に上限はないが、信組は会員全体の預金総額の二〇%以内(3)非会員への融資=信金の制限の方が緩やか――つまり、信組は信金よりも会員性の強い金融機関であると言える。

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