エサの残飯を食べる産卵期を終えたニワトリ[2025年2月19日、キプロス・アカキ](C)REUTERS/Yiannis Kourtoglou

[キプロス・アカキ発/ロイター]有機農場「アカキ・グローブ」では、産卵期を終え、食肉処理を免れたニワトリがオリーブの木々に囲まれ、悠々とエサを食べ、気ままに糞を排出して暮らす。このプロジェクトは、首都ニコシアの西にそびえるトロードス山脈の緑豊かな丘陵地帯で行われている。

 プロジェクトは「コット・コット・プロジェクト」と名付けられ、農場のオーナー、エレナ・クリストフォロス氏と土壌工学者のニコラス・ネティエン氏によって立ち上げられた。ニワトリのエサには寄付で募った食品廃棄物を使い、ニワトリの糞をオリーブの木のための天然肥料にしている。動物の糞尿を堆肥として使う原点回帰的なアプローチだ。

「ここは、ニワトリの老人ホームのようなもの。ニワトリはここへ来て、隠居生活を送る」とクリストフォロス氏。元気に鳴くニワトリに囲まれ、小学校の児童から回収した食品廃棄物の入った箱を空けながら語った。

有機農家のエレナ・クリストフォロス氏[2025年2月19日、キプロス・アカキ](C)REUTERS/Yiannis Kourtoglou

 ニワトリは、糞で土壌を肥やすことに加え、地中海のオリーブ農家を悩ませるオリーブミバエの幼虫を食べるため、害虫の被害防止になる。また、幼虫を探すために土をつつき、雑草を取り除く効果もある。さらに、エサに食品廃棄物を使うことは埋め立て地に捨てられる有機廃棄物の量の削減につながる。有機廃棄物は、温暖化ガスの一つであるメタンのもととなる。

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