150万年前にゾウの骨から作られた骨角器。タンザニアのオルドバイ峡谷から出土した (C)Pleistocene Archaeology Lab/REUTERS

[ロイター]研究は3月5日に学術誌『ネイチャー』に掲載された。調査は古代人類学的に重要な遺跡のオルドバイ峡谷で行われ、骨から作られた道具が27点出土した。現生人類のホモ・サピエンスと体型が似ている初期人類ホモ・エレクトスが、これらの道具を作ったと研究チームは考えている。

 道具は最長で約37.5センチにおよぶ。鋭利なものや頑丈なものなど、様々な形状のものが確認された。動物の死体を解体して食べることなどに使われた可能性がある。

 道具の使用開始は人類の技術発展のスタート地点だったと言われている。これまでの調査から出土した最古の石器は、少なくとも330万年前にさかのぼり、骨製道具に関しては約200万年前に使用されていた例が散見される。だが、今回のオルドバイ峡谷の発見は、骨製道具が体系的に作られていた最も古い例であり、これまで知られる最古の例よりも約110万年古い。

 オルドバイ峡谷の骨製道具は同時期に作られた様々な石器とともに発見された。骨の道具を使い始めたことは、革新的な出来事だったと研究チームは話す。認知能力の向上、技術的な発展、そして動物が食料だけでなく資源にもなるという認識があったことを示すからだ。

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