文化活動が保険適用になる日が来ることも?[博物館や美術館の散策を処方された患者が作品を鑑賞する=2025年3月11日、スイス・ヌーシャテル](C)Reuters

[スイス・ヌーシャテル発/ロイター]プロジェクトは試験段階だが、市が医師と連携し、先月から始動した。身体活動を促進し、健康に悩む住民の手助けをすることが目的だ。市内の3つの美術館と植物園の入場券合計500枚が、「処方箋」によって無料で配布される。

 ヌーシャテルの医師パトリシア・レーマン氏は「(この取り組みは)精神の健康面で時々悩む人にとって、悩みや痛み、そして自身が患う病気のことを一時忘れ、新たな発見を楽しむ機会になる。感情をケアすることで、治癒への道が開けると信じている」と述べた。

 燃え尽き症候群になった26歳の女性は、渡された入場券でヌーテシャルの美術・歴史博物館を訪れた。クロード・モネとエドガー・ドガの名作や、時計職人が作った自動人形が展示されている。 

「暗闇の中に少し光が差し込むような気がする」と女性は述べた。  

 関係者は、2019年に世界保健機関が発表した研究から取り組みのアイディアを得たという。この研究は、芸術と健康促進、病気の治療の関係を検討した。 

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。