近年、仕事と子育ての両立支援策は、育児休業法改正や待機児童ゼロ作戦など乳幼児期(小学校就学まで)を対象に重点実施されてきている。 しかし、子どもの保育所卒園後には、小学校入学という「小一の壁」が待っている。現在、共働きやひとり親の家庭が増加しており、これに伴い放課後や休日を子どもだけで過ごす家庭が多くなっている。その一方で、子どもが小学校に上がった段階で、仕事を辞めざるをえなかった、あるいは正社員から非正規社員へと就労形態を変更する女性たちは少なくない。 彼女たちに話を聞くと、「保育所は保育時間が長く、仕事が忙しい時期には延長保育があるので助かった」「むしろ子どもが小学校に上がってから、預け場所に困っている」といった声が多い。 共働き家庭やひとり親家庭の親が仕事から帰宅するまでの間、低学年の小学生たちが安心して過ごせる場を提供するのが「学童保育(放課後児童クラブ)」だ。指導員たちが見守るなかで、子どもたちはおやつを食べたり、宿題をしたり、遊んだりして過ごす。全国学童保育連絡協議会(保護者と指導員から構成されている民間機関)の調査によると、今年五月時点で、全国の学童保育の数は約一万八千カ所、利用子ども数は八十万人を超え、仕事と子育ての両立に大きな役割を果たしている。

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