ウクライナの停戦とは何なのかーー停戦と和平の境界と停戦の細分化
2025年4月14日

「合意」という言葉ではなく、戦場において実際に何が起きているかに着目する必要が従来以上に高まっている[3回目の会談を行ったプーチン大統領(右)とスティーブ・ウィトコフ米中東担当特使=2025年4月11日、ロシア・サンクトペテルブルク](C)AFP=時事
なぜいま停戦議論か
ウクライナの停戦に関する交渉や議論がさまざまにおこなわれている。停戦が実際に近づいているかについては疑問もあるものの、停戦を語り、停戦を目指すこと自体は広く受け入れられることになった。まずはこれ自体が大きな変化であることを強調する必要がある。
2022年2月24日にはじまるロシアによるウクライナ全面侵攻の当初から、停戦は模索され続けてきた。ウクライナ政府自身も停戦の可能性を探り、本格的な交渉もおこなわれたものの、結局断念された。それは、ロシアの要求と、ウクライナが受け入れ可能なものとの間のギャップが大きすぎたからである。ロシアの求めたものが事実上の降伏だったとすれば、抵抗を続ける方がまだよいとウクライナが判断したのは、その時点では合理的だったはずである。短期決着だとすればウクライナの「敗北」、ロシアの「勝利」以外の結果になりえなかったからである。
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