これまで金正恩国務委員長の随行者として頻繁に出現していた趙甬元氏(右)の不在が注目される[2023年7月12日のICBM「火星18」の発射実験にも随行していた](C)EPA=時事 4月15日は故・金日成(キム・イルソン)主席の誕生日である。同日付第1面には、金日成が創始したとされる主体(チュチェ)思想の意義についての社説が掲載された。

 16日付第5面では、朝鮮労働党と政府の幹部たちが錦繍山(クムスサン)太陽宮殿を参拝したことについて報じられた。金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は、今年2月16日、金正日(キム・ジョンイル)国防委員長の誕生日としては4年ぶりに参拝を行っていたが、祖父の誕生日に際しては今回で3年連続の欠席となった。

 それとともに注目すべきは、政治局常務委員の趙甬元(チョ・ヨンウォン)の不在であろう。これまで、金正恩による現地指導の随行者として頻繁に出現していたが、3月1日付を最後に出てきていない。太陽宮殿への参列者の名としては、党中央委員会政治局常務委員の朴泰成(パク・テソン)、崔龍海(チェ・リョンヘ)だけが紹介された。記事には、参列者の後方から撮影した写真のみが添えられたため、参列者の顔が全く確認できない。何かを隠そうとしている可能性は否定できないものの、そもそも写真を掲載しないという選択肢もあるため、よく分からない。過去には、金日成の命日に際して金正恩が幹部とともに太陽宮殿を参拝したとの記事が1面トップに掲載されたにもかかわらず、写真は一枚も公表されなかった例もある(2023年7月8日付)。

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