
「相互確証型のいさかい状態(Mutual Assured Annoyance)」を作り、相手を交渉のテーブルに引きずり出し、実利を取るのがトランプ政権2期目流[ホワイトハウスの大統領執務室に向かうラトニック商務長官=2025年6月11日、アメリカ・ワシントンDC](C)EPA=時事
「スモールヤード・ハイフェンス」からの転換
米中閣僚協議を終えて6月11日に米経済・金融TV局CNBCのインタビューに応じたハワード・ラトニック商務長官は、「トランプ政権は昼夜を問わず働いている」と誇らしげに語った。2回目の米中閣僚協議は「9日は10時間、10日は14時間にわたって協議した」といい、緊密に協議した様子が窺える。
ラトニック氏は、米中が貿易枠組みで合意したと説明、「両国は非常に良好な関係にある」と振り返った。しかし、インタビュー内容を振り返ると、閣僚協議のテーマが関税から輸出規制の緩和へシフトし、トランプ政権がバイデン前政権の「小さな庭を高い塀で囲む(Small Yard High Fence、SYHF)」戦略から転換したことが明確になっている。
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