民主党はどこに行くのか――ニューヨーク市長選挙予備選の衝撃
2025年7月7日
党主流派は共和党がマムダニを「民主党の顔」に仕立て上げ、ネガティブ・キャンペーンに利用することを警戒している[予備選開票日、支持者に語り掛けるマムダニ氏=2025年6月24日、アメリカ・ニューヨーク](C)AFP=時事
6月24日に行われた、ニューヨーク市長選挙に向けた民主党の予備選の結果が全米に衝撃を与えている。
アンドリュー・クオモ前州知事を破ったのは、33歳の州議会議員、ゾーラン・マムダニ。「民主社会主義者」を自称するウガンダ生まれのインド系モスリム教徒がニューヨークの名だたる政治王朝の当主に勝利したのだから、全国的な注目を集めるのも不思議でない。しかも、この結果は大統領選挙以降の民主党内の混迷に拍車をかけ、来年の中間選挙、さらには2028年大統領選挙に向けた戦略の在り方にも影響を与え得る。党内に与えた衝撃には無視し難いものがある。
路線対立と世代交代論――民主党が抱える二つの課題
民主党内の混迷とは何か。最も大きな原因は、昨年の大統領選挙の敗因に関する見解の対立だ。
党内主流派は、敗北の大きな要因は、移民政策をなどで進歩的立場を過度に追求したため、党の路線が一般の有権者の感覚から遊離したことにあると見る。そのため主流派は党の立場をより中道寄りに動かすことを志向しているが、この方向性は党内左派の主張と真っ向からぶつかる。というのも、選挙結果に関する左派の分析は全く逆で、党の路線が中道に寄りすぎたため、労働階級を中心とする伝統的な支持層が離反したことが敗因と結論付ける。
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