支持率6割台で安定、李在明政権「出足好調」の背景に何があるのか
2025年8月4日
会見では記者を見下ろすような演壇を使わないといった工夫もあるようだ[青瓦台迎賓館で就任30日の記者会見を開いた李在明大統領=2025年7月3日、韓国・ソウル](C)EPA=時事
韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領が予想以上に好調な滑り出しを見せている。6月3日の大統領選では得票率が5割に届かなかったため「李在明嫌い」の根強さが語られたのだが、支持率は6割台前半で安定している。しかも保守野党「国民の力」の岩盤支持層とされる慶尚北道地域や高齢者層でも、支持が不支持よりはるかに多い。もともとは国民の力を支持していた保守派の政治評論家や論客にも高く評価する人が珍しくないし、官僚にも「意外にいい」と話す人が多いのだ。就任直後の「ハネムーン期間」とは言うものの、政治的な分断が米国並みに進んだとされる近年の韓国では驚きの現象である。
大統領選の得票率を上回る支持
まずは支持率を見てみたい。7月18日発表の韓国ギャラップの世論調査では、支持64%、不支持23%だった。同社は民主化以降の歴代大統領について四半期ごとにまとめた支持率を出している。それを見ると政権発足直後の支持率は、年代順に盧泰愚(ノ・テウ)29%、金泳三(キム・ヨンサム)と金大中(キム・デジュン)71%、盧武鉉(ノ・ムヒョン)60%、李明博(イ・ミョンバク)52%、朴槿恵(パク・クネ)42%、文在寅(ムン・ジェイン)81%、尹錫悦(ユン・ソンニョル)50%である1。
記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。