ソ連による「反帝国主義」のレトリックは、第3世界に対する支配の実態を見えにくくした[ウクライナ東部、ロシアの占領下にあるドネツク市の中心部に立つレーニン像=2025年7月22日](C)AFP=時事
アフリカやカリブ海をテーマとする米比較文学研究者デイヴィッド・ムーアはかつて、植民地主義を主に3つのタイプに分類した2。
① 「劣っている」と見なす人々を政治的、経済的、軍事的及び文化的に強力に遠隔支配する「伝統的」植民地運営のタイプ。英国のケニヤやインド支配、フランスのセネガルやベトナム支配がこれに当たる。
② 植民者が入植し、先住民を「第4世界」(貧困地区やゲットー)の囚われ人に変えてしまう。米国や豪州、南アフリカがその例。
③ 力によって近隣の民族を征服する「一般的」あるいは「王朝的」植民地運営。オスマン帝国やハプスブルク帝国が思い浮かぶが、多様だった国内を統一したフランスのように、結果的に諸民族を消滅させた帝国が最も成功した例であるのを忘れてはならない。
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