産卵場所を探すガは、干からびたトマトの“悲鳴”を聞く
2025年8月10日
食物はストレス状態にあると超音波を発する[テルアビブ大学の研究室](C)REUTERS/Amir Cohen
[テルアビブ発/ロイター]研究では、メスのガが水分の足りていないトマトが発する超音波のストレス信号を感知し、産卵する場所を決めていることが明らかになった。7月16日、テルアビブ大学の研究チームが学術誌『eLife』に発表した。
ガは通常、孵化した幼虫の食物となるトマトの葉や茎、果実に産卵する。
研究チームは、メスのガに健康なトマトの苗2本を与えた。1本からは、干からびたトマトから録音した音をスピーカーで再生し、もう1本は音を再生しなかった。その結果、ガは無音のトマトを好み、ガが音などをヒントに最適な産卵場所を選んでいることが示唆された。
さらに実験を重ねると、ガは音で判断をしており、判断のためには植物が発する音のみを使っていることが確認された。
研究は、テルアビブ大学ワイズ生命科学部のリヤ・セルツァー氏とガイ・ゼル・エシェル氏(リラフ・ハダニ氏とヨシ・ヨーベル氏の研究室所属)が主導した。
「植物と昆虫が音を通してやり取りをする初の証拠を示した」と研究チームは述べている。
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