半導体、エネルギー・脱炭素、ロボティクスなど日本の製造業の強みに大きな可能性が開けている[次世代半導体の試作品について記者会見するラピダスの小池淳義社長=2025年7月18日、北海道千歳市](C)時事

 第二次トランプ政権が始まって半年が経過した。この間、国内、海外に対して大胆な発信と行動を繰り返し、これまで世界がルーティーンと認識していた回転軸が壊されていった。その世界の回転軸は、米国が第二次世界大戦後の冷戦期において、自国と西側世界の利益のために構築してきたものであり、この破壊が及ぼす世界へのインパクトは時間と共に極めて大きなものになっていくだろう。

 具体的には、まず1つ目に西側アライアンス(同盟国、同志国などの枠組み)へのダメージである。特に欧州、カナダ関係へのダメージは大きく、両地域の米国に対する信頼は大きく減退している。これは防衛、経済面では、すでに後戻りできない新たな領域にはいってきていると思える。2つ目は、米中対立において、「関税戦争(タリフ・ウォー)」を通じ、中国の優位性が露呈したことである。モノを作っている国は強いという当たり前の構造が顕在化したことで、「中国に勝てるサプライチェーンが要る」という論点がトランプ政権の中で強くなった。これが、日米の関税合意妥結の一要因と見て良いだろう。

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