(C)新種のナナフシが、雨季に枝からぶら下がっている様子 (C)Professor Angus Emmott, James Cook University / Handout via REUTERS

[シドニー発/ロイター]新種のナナフシ「Acrophylla alta(アクロフィラ・アルタ)」は、世界遺産に登録されている高地熱帯雨林地域「ウェット・トロピクス」で発見された。この地域は人里離れた高原にあり、毒ヘビ、クモ、その他無数の節足動物が生息する。あまりの僻地であるうえに、このナナフシは林冠(森林の頂部で枝葉の茂った部分)に棲むことから、これまで発見されてこなかったのだろうと研究チームのアンガス・エモット氏(ジェームズ・クック大学)は語る。

「サイクロン(台風などの熱帯低気圧)や鳥によって地上に落とされない限り、人が目にする機会はほとんどない」(エモット氏)

 またエモット氏は、新種の巨大な体は、進化の過程で涼しく湿度が高い環境へ適応した結果の可能性があると指摘した。

「大きな体格は、高地の低温環境で生き延びる助けとなるため、数百万年かけてこの大きさに進化したのだろう。現時点で分かっている限り、オーストラリアで最も重い昆虫だ」(エモット氏)

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