TSMCはトランプ政権が半導体に課すとしている100%関税の対象外[ホワイトハウスで1000億ドルの追加投資を発表するTSMCの魏哲家・董事長兼CEO=2025年3月3日、アメリカ・ワシントンDC](C)EPA=時事
「曖昧戦略」と「一つの中国」の二転三転はバイデン流を一部踏襲?
ジョー・バイデン前大統領は「私は失言マシーンだ(I’m a gaffe machine)」(2018年12月の発言)と認めたように、任期中も物議を醸す発言を何度も行った。その最たる例が、台湾に関する発言だ。米国の歴代政権は数十年にわたり、台湾に対し「曖昧戦略」を堅持してきた。中国が仮に台湾を武力侵攻した場合、米軍が台湾を守るかどうかを明確にしないことで中国の行動を抑止する戦略である。しかし、バイデン氏は2021年8月を皮切りに、防衛へのコミットメントを行うとの“失言”を繰り返した。
2022年9月18日にバイデン氏が台湾を守ると語った2日後には、ジェイク・サリバン大統領補佐官(安全保障担当)が会見を開き、政策変更を発表したかとの問いに、「(バイデン氏は)仮定の質問に答えただけ」と強調。「一つの中国」の原則を遵守していることにも言及し、火消しに回った。なお、米国務省は同年5月5日、公式webサイト中の台湾に関するファクトシートから「台湾の独立を支持しない」とする文言を削除したが、バイデン氏が日米首脳会談後の記者会見で台湾防衛への関与を肯定する発言を行った後に、元に戻したという経緯がある。
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