圧力に負けて利下げを示唆したわけではなく……[ジャクソンホール会議に出席したパウエルFRB議長=2025年8月22日、アメリカ・ワイオミング州ジャクソンホール](C)REUTERS/Jim Urquhart
22日のジェローム・パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長によるジャクソンホール講演は、9月のFOMC(連邦公開市場委員会)での利下げ着手を示唆しました。ドナルド・トランプ大統領の精力的な利下げ要請が効果を上げたかは別として、キーポイントは雇用です。雇用の関連指標は安定しているにもかかわらず、その「下振れリスクの高まり」に言及したのはなぜなのか。
パウエル議長は「労働市場はバランスを保っているように見えるが、それは労働の供給と需要の両方が著しく鈍化した結果生じた、奇妙な種類のバランスである(While the labor market appears to be in balance, it is a curious kind of balance that results from a marked slowing in both the supply of and demand for workers)」と語っています。働き手が減ったために、企業が採用を減らしても失業率が上昇しないカラクリが見えるというのです。
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