金正恩の最高指導者としての経験は習近平より長い[朝鮮人民軍総参謀部直属の特殊作戦訓練基地を訪問した金正恩国務委員長=2025年8月27日](C)AFP=時事

 金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が2019年1月以来、6年8カ月ぶりに訪中する。中朝首脳が対面するのは、習近平国家主席が訪朝した2019年6月以来となる。8月29日付1面トップは、金正恩が中国人民抗日戦争及び世界反ファシズム戦争勝利80周年記念行事に出席するため、「間もなく」訪中することを報じた。

 金正恩がマルチの場に出ていくのは事実上初めてである。あえて挙げるならば、2019年6月にドナルド・トランプ米大統領と3回目の対面を果たすために板門店(パンムンジョム)の韓国側地域を訪問した際、その場に韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領も短時間居合わせただけである。

 歴史的には、金正日(キム・ジョンイル)国防委員長の外遊先が中露両国だけだった一方、金日成(キム・イルソン)主席(1972年12月以前は首相)は頻繁に国外に出ていた。

 金日成が最後にマルチのイベントに参加したのは、ユーゴスラビアのヨシップ・ブロズ・チトー大統領の葬儀だったとされる。1980年5月9日付第1面は、金日成がベオグラードで中国の華国鋒党主席、ソ連のレオニード・ブレジネフ最高会議幹部会議長、ルーマニアのニコラエ・チャウシェスク大統領、パキスタンのムハンマド・ジア=ウル=ハク大統領と立て続けに会談を行ったことを報じた。翌10日付は、葬儀参列のほか、ザンビア、タンザニア、ジンバブエの首脳と会談したことについて報じた。さらに11日付は、バングラデシュ大統領との会談について伝えたほか、ベオグラードからそのままブカレストに移動したことを報じていた。

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