[抗日戦争勝利80年記念式典に参加したロシアのウラジーミル・プーチン大統領(左)、習近平中国国家主席(中)、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記(右)=2025年9月3日、中国・北京の天安門広場](C)EPA=時事
現行国際秩序1は、ロシアのウクライナ侵攻、中国の台頭、そしてトランプ政権の再登場が示す米国の変質により大きく動揺している。第二次世界大戦の原因となった世界の経済的な分断を予防し、平和を作りあげるために構築された現行国際秩序が危機に直面している。2025年の世界は、第二次世界大戦への曲がり角にあった1929年と同じような岐路に立っている。
経済危機が各国の保護主義と政治体制の不安定化を招きつつあった1929年、日本は勃興する中国ナショナリズムの力を理解できていなかった。1931年の満州事変以降、武力により「中国問題」を解決する道を選び、対中戦争の泥沼に入り込んだ。あの当時、日本と米国との間の唯一の根本的な対立が「中国問題」であった。日本が対中政策の修正に失敗したことが日米戦争の導火線となり、負けると分かっていた戦争に突き進むという愚を犯した。
2025年の今日、現行国際秩序を護持し、補強し、改善する以外に日本及び国際社会の生き残る道はない。米国という不確実性を抱えながら、台頭する中国の突きつける挑戦を正面から受け止め、日本の国家戦略を考えるしかない。再び中国をどう認識し、位置づけるかが、日本の将来を決めるカギとなった。戦前の轍を踏まないためにも、中国をどう認識すべきなのかを必死になって考えて行くしかない。
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