自民党総裁選「本命・進次郎」「対抗・高市」それぞれのアキレス腱
2025年9月13日
前回の総裁選でも当初は最有力と見なされていたが、蓋を開ければ3位に甘んじた[首相官邸に入る小泉進次郎農林水産相=2025年9月10日](C)時事
石破に引導を渡して株を上げた進次郎
「急なご案内で誠に恐縮です。この度、自由民主党総裁の職を辞することにいたしました」(9月7日)
日曜の夕方。当人が「急な案内」と説明するように、確かに唐突な辞任劇だった。
石破茂総理はこの日、緊急記者会見を開き、自民党総裁を辞任し次の総裁選挙には出馬しないことを表明した。
翌9月8日は総裁選の前倒しを求める署名の提出日であり、前倒しに必要な過半数に達する見通しが強まる中で、事実上、追い詰められた格好での辞任表明だった。
辞任にいたる数日間、石破とその周辺の動きは緊張感が漂うものだった。筆者は先週、石破と直接話したという政界関係者を取材した際、こんなことを言われた。
「石破は本気で解散を考えているぞ。(反石破派にとって)解散を覚悟で過半数(の署名を)集められるかどうかが焦点だ」
5日夜、石破は岩屋毅外務大臣、村上誠一郎総務大臣など親しい閣僚らと都内のホテルで会合を開き、解散に打って出るべきかどうかを話し合ったという。参加した1人は「(解散は)総理の専権事項。自分からは何も話せない」と語るに止めたが、解散カードを現実に検討していることが伝わってくる重苦しさがあった。
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