暗号資産ビジネスは一族経営のトランプ・オーガニゼーションにとって重要な柱になっている[ナスダックのオープニングベルを鳴らすイベントに登場したドナルド・トランプ・ジュニア氏(左)とエリック・トランプ氏(右)=2025年8月13日、アメリカ・ニューヨーク](C)REUTERS/Eduardo Munoz

 

トランプの戦略をなぞった中国のレアアース輸出規制強化

「彼を知り己を知れば百戦殆からず」とは、孫子の兵法の教えとして、あまりにも有名だ。中国は第2次ドナルド・トランプ政権の戦略「相互確証型のいさかい=Mutual Assured Annoyance(MAA)」を学び(6月13日付本コラムをご参照)、APEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会議中に予定する米中首脳会談を前に米国に譲歩を迫るべく交渉カードを切った。

 中国商務省は10月9日、レアアースの迂回輸出抑止を狙った輸出規制強化発表した。翌10日には、中国に寄港する米国船から追加の港湾使用料を徴収すると決定(適用は14日から)。これは米国が中国船舶に対して取る同様の措置に対抗するもの。また、同じ10日には、米半導体大手クアルコムによるイスラエル企業買収に関して独占禁止法違反の疑いで調査に着手したと発表し、14日には韓国造船大手ハンファオーシャンの米国子会社5社に対し、中国との取引を禁じる制裁を科す方針も明らかにした。

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