五月、二十五年間に及んだ政府軍と反政府武装組織「タミル・イーラム解放のトラ(LTTE)」との内戦が終結したスリランカで、LTTEがフォンセカ陸軍司令官の料理人として何年もの間、スパイを陸軍本部に潜入させていたことがわかった。 料理人の名はシディーク。ジャフナ生まれで、九五年に陸軍に入隊したシディークは料理の腕を買われ、二〇〇二年、当時、ジャフナ地区の司令官だったフォンセカ付きの料理人となった。フォンセカはシディークを重用。陸軍本部でのみならず、コロンボの公邸にも同伴した。また、〇四年十二月にフォンセカが入院した際にはシディークの親戚のフリをして、LTTEの自爆テロリストが四、五回、暗殺のために病院の「下見」にきていたという。 シディークに与えられていた任務は、自爆テロリストが陸軍本部やフォンセカの自宅に入り込むための「手引き」をすることだったが、実際にテロが成功したことはなかった。

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