北東アジアにおける2つの協力枠組み「日米韓」「日中韓」に共に加わっているのが日韓の強み[APEC首脳会議にあわせて行われた米韓首脳会談でドナルド・トランプ米大統領と話す李在明大統領=2025年10月29日、韓国・慶州](C)EPA=時事

「日韓関係の重要性というのは、今、一層増している」、「これまでの政権の間で築かれてきました日韓関係、この基盤に基づきながら、日韓関係を未来志向で安定的に発展させたい1。」高市早苗首相は就任会見でこう力強く述べた。韓国内では高市首相になり日韓関係が悪化するのではとの懸念がある一方、韓国を重視した外交を進めてくれるのではとの期待もあるが、との記者からの質問に対する答えである。懸念の理由は、高市首相の保守的な政治信条とこれまでの靖国神社への定期的な参拝であり、期待の根拠となっているのは、現在の厳しい国際情勢に対応するため日本と韓国の協力は両国にとって選択ではなく不可欠の要請になっている、との見方である。

 それでは、日韓協力に対する期待を現実のものとしていくためにはどうすれば良いのであろうか。日韓両国が位置するインド太平洋地域の諸課題を念頭に、今後の協力のあり方を検討してみる。

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