トリプル安は「財政リスクへの警戒」というより、株・債券・円それぞれが別ファクターで動いていると見るべきではないか[2025年11月18日の日経平均株価などを示すモニター](C)時事

 AI(人工知能)ビジネスの雄ソフトバンクグループ(SBG)がくしゃみをすると、日本株全体が風邪をひく。11月半ばになって日本の株式市場はそんな様相を呈している。11月14日の日経平均株価は一時1000円あまり下落し、905円30銭安の5万376円53銭で取引を終えた。下げへの寄与度(何円分だけ日経平均を押し下げたか)をみれば一目瞭然だろう。

 アドバンテスト=307円08銭、SBG=280円81銭、東京エレクトロン=208円08銭。半導体検査装置の大手アドバンテスト、SBG、半導体製造装置の大手である東京エレクトロン。この3社の日経平均下落への寄与度は合わせて795円97銭。225社で構成する日経平均の下落幅905円30銭の、実に88%にものぼる。

 1620円93銭安の4万8702円93銭となった11月18日も、下げへの寄与度はSBG=304円84銭、アドバンテスト=197円88銭、東京エレクトロン=182円50銭。AI関連3兄弟の日経平均下落への寄与は42%。日経平均が5万円の天井を突破し、10月31日に5万2411円34銭の史上最高値をつけた原動力となったAI関連3銘柄が逆回転を起こしているのだ。

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