「ポスト・トランプ」に向け現在進行形で先鋭化、米国右派の「思想的内部対立」
2025年11月19日
トランプ大統領はMAGA派の代表的な議員、マージョリー・テイラー・グリーンへの支持を取り消した[エプスタイン文書公開法案の成立を訴えるグリーン=2025年11月18日、アメリカ・ワシントンDC](C)AFP=時事
チャーリー・カークがユタ・バレー大学のキャンパスで凶弾に斃れてから2カ月。日本でも一部の専門家のあいだでのみ知られていたかれの名前は、今や多くのひとが知るところになっている。アメリカでは、カークに関連したニュースのとぎれる暇がないほど、さまざまなひとたちがかれについて語り、その語りがさらなる波紋を投げかけている。
アリゾナ州フェニックス郊外でおこなわれたカークの葬儀では、ドナルド・トランプ大統領をはじめ政権の閣僚たちが列席し、その早すぎる死を悼んだ。悲劇的な暗殺によって、カークはアメリカで久方ぶりに誰もが知る右派の知識人という地位を死後に得た。しかもかれは、その言動や行動から極右と言って差し支えない人物だった。死後のカークの名声の高まりによって、MAGA派と呼ばれるトランプ支持の政治家や支持者たちのなかで、あるいは新右翼に分類される右派の新しい諸思想のあいだで、極右主義は存在感を高めつつある。
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