ハンガリー・チェコ・スロバキア「ウクライナ懐疑連盟」の建前と本音――復興需要は見逃せない
2025年11月28日
ロシア産の石油への依存度が高い“ウクライナ懐疑連盟”は、米国から二次制裁を科されるリスクと常に隣り合わせだ[訪米したオルバン首相と会談したトランプ大統領=2025年11月7日](C)AFP=時事
米ポリティコの10月28日付の報道によると、ハンガリーのオルバン・ビクトル首相は、近隣国のチェコとスロバキアとともに、“ウクライナ懐疑連盟”を結成しようと目論んでいる模様だ。チェコ側の協力者としては、タカ派として知られるアンドレイ・バビシュ前首相が、スロバキアの場合はロベルト・フィツォ首相が念頭にあるようだ。
ロシアとの関係の近さで知られるハンガリーのオルバン首相だが、国民の支持には陰りが生じている。来年4月までに実施される同国の総選挙では、首相が率いる与党フィデスが、マジャル・ペーテル氏が率いる新興右派政党ティサに敗れる展開が意識されている。政権交代が実現しなくとも、首相の求心力の低下は必至の情勢である。
国内の保守派の支持を回復するための一手段としてオルバン首相が目を付けたのが、この“ウクライナ懐疑連盟”を結成することのようだ。EU(欧州連合)はウクライナ支援に注力しているが、そのようなことに血税を使うくらいなら、ロシアとの関係の改善に努めるべきである。概ねこのような理屈でオルバン首相はEUを批判している。
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