NY市長選の焦点となった物価高・生活苦への配慮はトランプ政権にとっても重要なアピールポイントになりつつある[ホワイトハウスでマムダニ次期NY市長(左)と会談したトランプ大統領=2025年11月21日、アメリカ・ワシントンDC](C)AFP=時事

「政治理念を持たず、完全にディール中心で、自分の利益に資するかどうかで政策を選ぶ」――英エコノミスト誌やワシントン・ポスト紙で活躍したジャーナリスト、アン・アップルバウム氏はドナルド・トランプ大統領をそう評する

 11月25日に高市早苗首相と電話会談を実施したトランプ氏は、「(台湾有事は)存立危機事態になりうる」との高市首相の国会答弁に言及し、事態の沈静化を図るよう働きかけたとウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)紙や朝日新聞などは報じている。

 トランプ政権としては2026年に中間選挙控え、関税問題をめぐって国内経済にも影響を与えつつあった米中対立に、10月30日の米中首脳会談で休止符を打ったばかりだ。その合意が、日米同盟経由で揺らぐ事態を回避したかったに違いない。スコット・ベッセント財務長官は11月24日の米中首脳電話会談後、「我々は常にライバルだが、それは自然なことだ」と述べた。そのうえで、「トップ間で電話会談ができるなら悪い事態を回避できると想定され、両首脳の関係は良好と言える」と強調している

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