「Netflixの支配力は想像以上に小さく、逆にエリソン家の支配力は想像以上に大きい」との指摘も[ホワイトハウスでAIインフラに関する発言をするラリー・エリソン氏(右)=2025年1月21日] (C)REUTERS/Carlos Barria
ハリウッドの老舗映画スタジオ、ワーナー・ブラザース・ディスカバリーの買収をめぐって米メディア業界が激しい動きを見せています。Netflixによる買収で確定と思われたのも束の間、入札で競り負けたパラマウント・スカイダンスがより高い金額を提示して敵対的買収の開始を発表。事態の行方はまだ見えません。
Netflixとワーナーが統合された場合、米国内における動画配信サービスのシェアは30%を超え、反トラスト法上の懸念があるとされています。ドナルド・トランプ大統領も「市場シェアの問題」を指摘し、政府による介入もありうると発言しました。ただ、事はそうした理解だけでは済みそうもなく、この買収劇の背後には様々なプレイヤーの思惑が存在すると見られます。
まず、ワーナーはトランプ氏の大嫌いなリベラル系メディアであるCNNを傘下に持ちます。NetflixはこのCNNを買収対象に含めていないのに対し、パラマウントはCNNを含めます。つまり、パラマウントならばCNNの経営に関与できる立場です。そしてパラマウントのCEOはデービッド・エリソン氏、トランプ氏と親密な関係にあるオラクル共同創業者、ラリー・エリソン氏の息子です。
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