トランプ大統領はロシアも「平和評議会」に参加すると主張[「平和評議会」発足式典でのトランプ氏=2026年1月22日、スイス・ダボス](C)EPA=時事
1月19日から23日まで開催された今年のダボス会議(世界経済フォーラム年次総会)の主役は、やはりドナルド・トランプ米大統領でした。バイデン前政権を扱き下ろしつつ大統領就任後の成果を誇る演説はいつもの出だしのようでしたが、グリーンランド領有への意欲とNATO(北大西洋条約機構)不信を執拗に繰り返す様子は異様な印象すら与えるものでした。
ダボス会議の公式プログラムとは別に、アメリカが主導する「平和評議会」の発足式典も開かれました。同評議会はパレスチナ自治区ガザの和平計画の一環として構想されてきたはずですが、トランプ氏が議長として率いて米国主導で世界の紛争解決を目指す組織という趣旨に変わりつつあるようです。発足式典に参加した国は20カ国、そのうち14カ国は権威主義国に分類される国でした。加盟の意思を示している国は35カ国程度とも伝えられます。
一方で、トランプ氏から敵意をぶつけられている欧州・NATO側では、カナダのマーク・カーニー首相の演説が話題を集めました。「力こそ正義」という大国の論理に対して、中堅国家は結束して道を切り開こうとのメッセージは大きな喝采を集めました。ただ、その理念は支持されつつも、現実的には欧州やアメリカの同盟国には一層厳しい時代がやってくるとの見方が多数を占めます。理念を核に置いたリアリズムの追求がなければ、中堅国家の多くが立ち行かなくなる困難な時代を、改めて認識させられます。
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