習近平の下で生き残れるのは「弱い官僚」? 中国軍最高指導部「粛清」の力学

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執筆者:高口康太2026年1月29日
習近平の権力維持戦略は毛沢東のそれをなぞっているように見える[昨年の全人代開幕式での張又侠氏=2025年3月5日、中国・北京](C)EPA=時事

 中国人民解放軍制服組トップ、中国共産党中央軍事委員会副主席の張又侠(ジャン・ヨウシャー)上将、中央軍事委員会委員にして参謀長の劉振立(リウ・ジェンリー)上将が紀律・法律違反で調査対象になったと発表された。このまま失脚する可能性が高い。2023年以後、人民解放軍上層部の失脚が続いている。軍の最高指導機関である中央軍事委員会は7人中5人が失脚するという「異常事態」だ。

 権力闘争、台湾有事に関する路線対立、深刻な汚職発覚、米国への核機密漏洩などさまざまな噂や説が飛び交っているが、真実が明らかになることはないだろう。

 ただ、それでも明らかになっている事実からヒントを得ることはできる。権力闘争や軍事戦略の路線対立、あるいは汚職といった個人に属する問題ではなく、政権そのものが内包するメカニズムとして読み解くべきではないか。

残るは習近平自身を含め2人だけ

 中国共産党中央軍事委員会は人民解放軍の最高指導機関と位置づけられている。2022年10月に発足した現行の第20期中国共産党中央軍事委員会は7人だが、李尚福(2023年に失脚)、苗華(同2024年)、何衛東(同2025年)、そして今回の張又侠および劉振立と、すでに5人が失脚した。残るは習近平中央軍事委員会主席、汚職違反を取り締まる軍規律検査委員会書記の張昇民(ジャン・シェンミン)副主席だけだ。

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