中国がイラン情勢への関与に乗り出す可能性は低い。しかし、「パートナー国へのコミットメント不足」と捉えられれば外交戦略上のマイナスにもなる[2026年3月1日、中国・北京](C)EPA=時事
米・イスラエルによるイラン攻撃開始から1週間余りが過ぎました。開戦に至る経緯を追った米「ニューヨーク・タイムズ(NYT)」の話題のスクープ記事(詳細は下で紹介します)から浮かび上がるのは、イスラエルに手を引かれるように攻撃へ前のめりになったトランプ政権の姿です。ドナルド・トランプ大統領はダン・ケイン統合参謀本部議長が「容易に勝利できる」と述べたと発信していましたが、実際には「戦争はアメリカに多大な犠牲をもたらす可能性がある」と伝えたことなど、ホワイトハウス内部の認識の乖離が露わになります。中東関与に消極的とされたJ・D・バンス副大統領は、攻撃するなら「大規模かつ迅速に」と主張したようです。
しかし、戦局は「迅速に」終了する気配がありません。最高指導者ハメネイ師殺害後のイランの体制転換に米国がどのように関与するのか定かでなく、クルド人武装勢力の蜂起を後押しするとも伝えられてきましたが、直近のトランプ大統領はこれについて「望ましくない」と語ったようです。イランの国民の約半数は非ペルシア人コミュニティーに属するとされ、こうした社会の複雑性まで視野に入れれば、体制転換が容易に行えないのは明らかです。
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