バンス副大統領と深いつながりを持つ「テクノリバタリアン」は、湾岸諸国への戦火拡大を懸念している (C)EPA=時事

 停戦への期待に、冷や水が浴びせられた。ドナルド・トランプ大統領は4月1日、国民向け演説でイラン軍事作戦をめぐり「圧倒的な勝利を収めた」と勝利を強調しつつも、「今後2~3週間に甚大な打撃を与える」と発言。イランの発電施設などへの攻撃期限として設定した4月6日を間近に控えても、終結を見通せない現状を浮き彫りにした。

 マーケットは即座に反応し、WTI原油先物は時間外取引で一時113.97ドルへ急伸。イランの最高指導者アリ・ハメネイ師の後継に、反米保守強硬派として知られる次男のモジタバ・ハメネイ師が選出されたと伝わった3月9日以来の高値をつけた。

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 演説の舞台裏には、厳しい政治的現実があった。CNN/SSRSによる世論調査では、米国民の67%がトランプ氏はイラン情勢への明確な対処方針を持っていないと回答しており、支持率は開戦以来じりじりと低下を続けている。追い打ちをかけるように、ホルムズ海峡の実質的封鎖を受けて全米平均のガソリン価格は4月2日週に1ガロン4ドルを突破。戦場での「勝利」を誇示しながら、日々の生活で戦争コストを実感する有権者の離反を食い止める――勝利を語りながら戦争は続く現実との矛盾を、市場は敏感にかぎ取ったと言えよう。

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