露わになるロシアのイラン関与「打算と限界」

執筆者:在ロシア・地域情勢ウオッチャー2026年4月8日
ロシアとイランは2025年に包括的戦略パートナーシップ条約を結んでいる。ただし、有事の「相互防衛」の義務は盛り込まれなかった[イランを訪問したプーチン大統領を迎えるアリ・ハメネイ師=2022年7月19日、テヘラン](C)AFP=時事

 中東を舞台とする新たな戦火は収まる兆しが見えない。2月末に米国とイスラエルがイランを攻撃して始まった戦闘は、周辺アラブ諸国を巻き込み、世界経済をも揺るがしている。今回の危機は、イランの友好国であるロシアにはどのような影響をもたらすのか。複雑に入り組んだ利害関係を解きほぐし、正負の効果を検討したい。

イランに距離を取ったプーチン氏

〈戦闘行為の即時停止、イラン周辺および中東全域における問題の武力による解決の拒絶、政治的・外交的解決への道に速やかに復帰すること――というロシアの原則的な立場を確認した。この点に関し、プーチン大統領は、湾岸協力会議(GCC)加盟国の首脳と常に連絡を取り合っていると述べた〉

 ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が3月6日、イランのマスウード・ペゼシュキアン大統領と電話協議した際の露側発表文の一節だ。プーチン氏は電話で、米国とイスラエルの攻撃で殺害されたイラン最高指導者アリ・ハメネイ師や軍・政治指導部幹部、多くの市民に対する哀悼の意も表した。

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