「逆封鎖は地上部隊投入より賢明な策」と評価する声は多い (C)EPA=時事

「指導者は獅子と狐の双方の才能をもたねばならない」――これは『君主論』の一節だ。J・D・バンス副大統領がイスラマバードで行ったイランとの交渉が決裂した直後の4月12日、ドナルド・トランプ大統領はホルムズ海峡の“逆封鎖”を発表した。

 米中央軍は翌13日午前10時から、ホルムズ海峡を通過してイラン国内の港を往来する船舶への航行阻止を表明し、対象の船舶には臨検・乗り込み・捜索・拿捕に踏み切る方針を打ち出した。16日には、米海軍中央軍が「すべてのイラン船舶、OFAC(米財務省外国資産管理局)制裁対象船舶、禁制品輸送疑い船舶は場所を問わず臨検・拿捕の対象となる」として対象拡大を通知

 主要メディアはバンス氏率いる米国とイランとの交渉決裂を「失敗」と評価したが、トランプ大統領の発表からわずか24時間以内に封鎖が発動され、3日後には対象が全制裁船舶へと拡大されたという迅速さは、一連の展開があらかじめ用意された筋書きだったことを示唆している。結果論とはいえ、イスラマバードでの交渉が、逆封鎖に先立つアリバイ作りだったと見えなくもない。

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