有力AI企業の影響力は政府をも揺さぶっている[アンソロピックのアモデイCEO](C)EPA=時事
米AI(人工知能)開発企業アンソロピックの新型モデル「クロード・ミュトス」は、「危険すぎるAI」とも称されます。システムの脆弱性を見つけ出す性能が格段に高く、サイバーセキュリティでは強力な盾になる反面、不正利用されれば大きな脅威になりえます。このためアンソロピックは、今月7日にミュトスを発表したものの、一部の企業・組織に検証用として限定提供する方針を示しました。
このミュトスをめぐっては、米国ではスコット・ベッセント財務長官が大手銀行首脳を集めて緊急会合を持ち、日本でも片山さつき金融相が3メガバンクや日本銀行の幹部らと官民連携会議を開きました。金融システムへのサイバー攻撃がさらに高度化することが懸念され、日本政府も体制整備を急ぎます。実際、米国を数カ月遅れで追うという中国がミュトス同等のAIを開発すれば、それを「限定提供」にするとは限りません。悪質なハッカーが利用するのは時間の問題との指摘もあります。
上に記したミュトスが「限定提供」される対象を、アンソロピックは「プロジェクト・グラスウィング」と名付けました。その公式サイトにはAWS、アップル、シスコ、グーグルなど12社の名前が確認できます。プロジェクトに関与する企業は約50社とも伝えられますが、社名は12社しかわかりません。まずはこの参加企業が、ミュトスを“武器”として手に入れます。
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