コペンハーゲンで行なわれた国際オリンピック委員会(IOC)総会で二〇一六年の夏季五輪の開催地がリオデジャネイロに決定した。一方、十月九日にはゴルフと七人制ラグビーの新競技採用が正式に決まった。 ジャック・ロゲIOC会長は〇一年の就任当初から「小さな五輪」を志向していた。 昨年の北京五輪を最後に野球、ソフトボールを除外。さらに一二年のロンドン五輪での新種目採用を見合わせたことで、「拡大プロ化路線」を突っ走ったサマランチ前会長からの決別を果たした。 そして今回、ゴルフと七人制ラグビーが採用されたわけだが、その理由を吟味していくと、ロゲ体制下におけるIOCの方針、今後の五輪のあり方へのメッセージが見えてくる。 ロゲ体制のキーワードは三つあげられる。●運営のコンパクト化●五輪における男女共同参画●大国だけでなく、様々な国・地域を含めた「真の国際化」 ゴルフ、七人制ラグビーともにキーワードの条件を満たすには理想的な競技と言える。 まずゴルフだが、男女とも五大陸すべてにメダルを狙える選手がおり、しかもトーナメントは四日間で決着がつく。 さらに、タイガー・ウッズなどのトッププロの参加が見込める。プロ側としても五輪への参加には積極的で、それが高評価につながった。野球の米メジャーリーグが非協力的だったのとは正反対だ。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。