中国公安省経済犯罪捜査局の張濤副局長はこのほど、「中国国内では偽人民元札の流通が依然大きな問題である。ここ数年、全国で押収する“額”は約十億元(約百三十億円)に上る」と指摘した。中国人民銀行は二〇〇五年に紙幣を刷新したが、相変わらず偽札問題が深刻であることを物語っている。 さらに同副局長は、「問題を複雑にしているのは、小額紙幣の偽札が作られ、内陸部や農村部などに拡散していること」とも述べ、偽札が百元札だけでなく五十元以下の札にも及び、かつ検査体制の緩い地域で流通していることを明らかにした。 公安省は今年も、偽札摘発のためのキャンペーン「〇九行動」を十月二十日まで実施。二千百九十八件の事案を摘発し、四千百八人を検挙した。いずれも〇八年を上回る。また、全国二十七カ所の偽札製造工場を突きとめ、八億一千万元相当の偽札を押収したという。 湖南省と広東省で摘発された偽札工場では計十一人を逮捕して、九千万元相当を押収。同二十日には陝西省楡林市で使用グループ五人を捕まえ、約十六万元相当の偽札を押収した。 増え続ける偽札作りに業を煮やした公安省は、〇五年に廃止した同省の組織「偽札摘発課」を復活させ、年内にも行動を開始する。張濤副局長は「この課の捜査隊には精鋭が参加することになる」と強調するが、捜査員らの業務は膨大なものになりそうだ。

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