犠牲者が二十三万人を上回る見込みのハイチ大地震。日本政府が当初支援表明した額はテントなどの緊急援助物資三千万円相当と無償資金協力四億五千万円のみで、国連から少額だと不満を示され増額する失態となったが、実際にはもっと少ない支援額が検討されていたという。 政府関係者によると、初期段階では四億五千万円を一億―二億円下回る支援額が打ち出されたが、政府内で「いくら何でも少なすぎる」との声が上がり、急遽増額された。この関係者は“政治主導”で官僚サイドが指示待ちだったのに対し、政治家側から具体的な支援提案も出ず、「ポテンヒットのような状態になった」と指摘する。 地震発生直後は在ハイチの日本大使館でも建物にひびが入って使用禁止になり、職員が自動車内で寝泊まりする状態。別の政府関係者は「情報収集に手間取り、支援額の算出は困難だった」と説明するが、韓国が一千万ドル(約九億円)の支援を表明したのと比べると、出遅れの印象は否めない。 ハイチPKO(国連平和維持活動)の自衛隊派遣は国連要請から二十日間足らずと異例の早さだったが、外務省筋は「各国もPKOについてはいち早く派遣表明しており、汚名返上にはならない」と投げやりだ。

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